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商品説明 恨みを晴らす必殺シリーズ（時代劇）の「まっさん」のように，手作りの短筒（たんづつ）で「悪徳宗教にエールを送ってしまった元総理」を仕置きしたのは、な、な、なんと、以前述べたごとく、某（それがし）の教え子、「Yガミ君」でした。実は、その「Yガミ君」との間に忘れられないエピソードがございます。あれは、たしか、１学期のゴールデンウィーク明けの「小論文ゼミ」だったと思いますが、「私の夢」というテーマで、授業をした事があったのです。この時は、まず、生徒達に次から次へと「自分の夢」を語っていってもらいました。ところが、あれだけ普段から注意していたにもかかわらず、内容が内容だけに興奮して「理性のタガ」が外れてしまったのか、「金持ちになりたい・・・」とか、「芸能人の誰々と結婚したい・・・」とか、あるいは、「好きな物をたらふく食べたい・・・」とか、「病院の中で出世したい」とか、とにかく、医療人を目指す人とは思えないような欲望をさらけ出してきたのです。おぞましいにも程がありました（笑）。そこで、某（それがし）は厳しく再教育してやりましたよ・・・・・。個別に呼びつけたりはしませんでしたが・・・・・（笑）。 某は、生徒たちを見渡し、わざとため息をついた後、「いや、本当に情けない・・・・・。あなた達は、曲がりなりにも、医療の世界で社会貢献しようとしている人達でしょ・・・・・？そうであるならば、『患者さんの命や健康を守る為、自分の人生をささげる事、・・・それが私の夢です』と、なぜ言えないのか・・・・・？いつも注意してるでしょ？出題者の意図を考えよと・・・・・。そして、いい子ちゃんのふりをして答えよと・・・・・（笑）」。この時、多くの女学生が自己への恥じらいから引き笑いをする中、「Yガミ君」は、ケタケタと屈託のない笑い声を響かせていたのが印象的でした。 では。順番が回ってきた時、彼は、どんな「夢」を語ったのかというと、「世間をあっと驚かせるような事をしたい・・・」と言ったのです。某には、さっぱり意味が分からなかったので、「具体的にどういう事ですか？」と尋ねると、彼は、一瞬、言いかけて、はっと我に返り、そっけなく、「今は言えません・・・」と答えました。ただ、そう言われると、こちらも気になるので、「ひょっとしたら、訪問看護ステーションを経営して、大儲けするんですか・・・・・？」と某が当時考えていたおぞましいアイデアを言ってみました（笑）。すると、また、そっけなく、「いえ、違います」との事でした。そこで、ますます気になった某は、「（皆が聞いているにもかかわらず）じゃあ、誰にも言わないから、先生にだけ、特別にヒントを教えて下さい」とお願いしましたが、彼は、少し笑いながら「どうしようか」としばらく考えた後、首を激しく振って、再び、「いや、できません」と強く言い切ったのです。それでも、某はあきらめがつかなかったので、にやけながらジョークで、「じゃあ、特別の特別なら、ヒントをくれてもいいですか？」とお願いするも、またまた、駄目の一点張り・・・・・。「とりつく島がない」とはこの事です。その時は、「くそっ、じらしやがって・・・・・（いや～ん、じらさないで・笑）」と、腹立たしく思いましたが、仕方がないので、ギャグで、「特別の特別の特別なら、いいですか・・・？」としつこくネチネチ尋ねてみました。もちろん、彼は答えなかったんですが、この時、（こちらの計算通り）クラスに大きな笑いが生まれたので、「（話が）落ちた・・・」と思い、大阪人としては満足し、そこで、この話題はストップしました。 ですが・・・・・、「ん～、しかし、世間をあっと驚かせるような事とは、いったい、何なんでしょうねえ・・・・・？」と、某がついつい残念そうにつぶやくと、優しい「Yガミ君」は、某の事を可哀そうに思ったのか、ちょっと真面目な表情で、「そのうち分かります・・・」とだけ言いました。某は、辛抱が苦手なので、「そのうちって、いつですか？」とまたまた尋ねてみました。しかし、彼は、笑いながら少し考えた後、「そのうちです・・・」と言って、それ以上は語ろうとはしませんでした。最後に、「じゃあ、どういう方法で分かるんですか？」と尋ねると、Yガミ君は、「どういう方法・・・？んっ・・・・・、新聞」と答えたのです。普通なら、ここで、「えっ、新聞沙汰？」となるはずだったんですが、某の思考が、先程の訪問看護ステーションの大々的経営に引きずられていて、某は、「ああ、やっぱり、訪問看護ステーションの新聞広告を大きく出すんですか・・・・・」と合点がいってしまったのです。今から思うと、Yガミ君は、某にヒントをくれてたんだ・・・・・と、自分の「鈍感さ」に情けない思いでいっぱいです。そういえば、授業が終わって、皆が某の横を通り、扉から出ていく時、一人の女子高生が、わざわざ某に、「私、あの人、怖い。なんか事件を起こしそうで・・・」と伝えてくれたのですが、「えっ、なんで？大人しくて真面目な、普通の人ですよ・・・・・。同志社大学の人だし・・・・・」と答えてしまったのです。女子高生が耳を貸さない某にあきれて立ち去る時、「この人、阿保や・・・・」というつぶやきが聞こえたような、聞こえなかったような・・・・・。今から思えば、本当に「阿保」だったと思います。皆が帰った後、Yガミ君だけが一番後ろの席に座り、冷め切った顔でしばらくこちらを見ていたのが思い出されます。そして、最後にYガミ君が扉を出ていく時も、「こいつ、阿保や・・・・・」というつぶやきが聞こえたような聞こえなかったような・・・・・。今から思えば、Yガミ君は、型破り系人間の某に、唯一、心を許そうとしてくれていたんじゃないのか、そして、救いを求めていたんじゃないかと思うと、事件を止められなかったのが残念でなりません。 さて、今回、皆様にご紹介する商品ですが、綺麗な色のトルマリンの中では、比較的リーズナブルに購入できる部類の「グリーントルマリン」です。この色調は、数が多く産出されるゆえに安いのですが、そうであるがゆえに、完璧さが要求されます。原石が掃いて捨てる程あるからです。よって、内包物がごちゃごちゃ入り込んでいたり、内部にひび割れがあったり、あるいは、カットが悪かったり、色味の悪かったりする場合は、そもそも商品にはなりえません。我々庶民は、例のカルト宗教のトップが指にはめているような、あんな大きなサファイアを身につける事など出来ませんが、一生懸命働いて購入する宝石ですので、あんなサファイアとは、清らかさが違います。購入するにあたり、誰も泣かしていません。そういう、人に恥じない生き様が、清々しい緑色によって、ちらちらと垣間見えます。